奈良には多彩なブルワリーがある
今回は奈良県にスポットを当てて、ご当地クラフトビールをご紹介したいと思います!
奈良県といえば東大寺と鹿と…ぐらいしか思いつかない人もいるでしょう。しかし、奈良は意外とお酒の街でもあるのです。
古都奈良は、日本酒発祥の街
一説には、奈良は日本酒発祥の地とされています。
最古の酒殿(さかど、御神酒を作るための場所)が奈良市の春日大社に存在している、桜井市の大神神社に酒の神様が祀られている、など理由はいくつかあるのですが、1500年以上前から奈良で酒造りが行われていたと言われています。
古来から酒作りが行われてきた奈良。現在では「風の森」の油長酒造、「豊祝」の豊澤酒造など全国的に有名な酒造が数多くあります。
2018年ごろから奈良でクラフトビールが盛んに
日本酒で有名な奈良県ですが、ビール作りはあまり盛んではなく、1999年に誕生した曽爾高原ビール以外に奈良にブルワリーはありませんでした。
そんな奈良にクラフトビールの波がやってきたのが2017年ごろ。2018年あたりから各所にブルワリーができ、多種多様なご当地ビールを飲むことができるようになりました。
最近では県内のクラフトビールにスポットしたイベントも増えてます。奈良のクラフトビール熱はどんどん上がってきているのです!
各醸造所をご紹介!
それでは、奈良のブルワリーとそこで作られているビールをご紹介していきましょう!
奈良醸造
醸造所の特徴
2017年7月に設立された奈良醸造。「自分たちの造りたいビールを造る」をモットーに、ビールの中にある楽しさ、面白さを追求し続けています。作り出されるビールはどれも個性的で、独自の路線を貫いています。
ラベルもとてもおしゃれなものばかり。毎回、ビールのテーマに合わせて色鮮やかなデザインが描かれています。個人的には字体が好きなんですよね。
奈良醸造のビール
奈良醸造は定番ビールが1種しかありません。毎回独創的なアイデアをビールに盛り込み、一期一会の素敵な出会いをもたらしてくれます。
●WONDERLAND(販売終了)
シナモン、カルダモンなど4つのスパイスが入ったビール。まるでカレーのような味。詳しいレビューはこちら↓
●STREAMIN’(販売終了)
ザ・アメリカンIPAを感じるビール。IPAの割には後味スッキリ。詳しいレビューはこちら↓
●PHILHERMONY
奈良県特産の大和橘を使った爽やかなビール。こちらが唯一の定番ビールです。詳しいレビューはこちら↓
ビールの値段
奈良醸造のビールの値段は、2023年7月時点で缶ビールは800円前後、瓶ビールは990〜2200円程度です。
どこで飲める?手に入る?
奈良醸造内にタップルームがあり、土日限定で生のクラフトビールを飲むことも可能です。
またタップルームでは、選んだビールをタップから缶に注ぎ、その場で缶詰をするクラウラーという持ち帰りサービスも行っています。
他にも県内の百貨店や酒造で購入可能です。
一部オンラインでも購入が可能です。
お店情報
住所:〒630-8452 奈良市北之庄西町1丁目8番地の14
営業時間:土日限定(祝日は開いてません) 13:00〜18:00(L.O. 17:30)
Twitter:https://twitter.com/narabrewingco
Facebook:https://www.facebook.com/narabrewingco
Instagram:https://www.instagram.com/narabrewingco/
大和醸造
醸造所の特徴
大和醸造は近鉄リテーリングが会社事業の一環として立ち上げたブルワリー。近鉄は関西では名の知れた鉄道会社で、近鉄リテーリングはそのグループ会社にあたります。
「『ドリンカビリティ』を第一に。2杯、3杯と飽きずに飲めるビールを目指して」ビール作りに取り組んでいます。
個人的にはクラシックな味わいのビールが多い印象です。
大和醸造のビール
大和醸造は、定番ビールである「はじまりの音」シリーズ4種に加えて、期間限定でさまざまなビールを製造しています。
●はじまりの音 セゾン
大和醸造の定番ビールのひとつ。フルーティーな香りと小麦の甘さが際立つクラシックセゾン。
●MILK STOUT(2023年2月限定)
ローストされた麦の味をしっかり感じることができるスタウト。ミルクの味が苦味を中和してくれる。
ビールの値段
大和醸造のビールは1本600〜700円程度です。
どこで飲める?手に入る?
大和醸造があるのは、近鉄奈良駅から徒歩1分、東向商店街の中です。ブルワリーにはレストランが併設されており、タップから注がれたビールを飲むこともできます。
近鉄奈良駅と近鉄大和西大寺駅構内にそれぞれタップルームがあり、そこでもビールを楽しむことができます。
また、奈良県内を中心とした関西の近商ストアやハーベス、成城石井などでビールの購入が可能です。
お店情報
●醸造所・直営店 YAMATO Craft Beer Table
住所:〒630-8215 奈良県奈良市東向中町6
営業時間:火~土:12:00~22:00(L.O.21:00)
日 :12:00~21:00(L.O.20:00)
月 :定休日(祝日の場合は営業)
●直営店 YAMATO Craft Beer Table 大和西大寺店
住所:〒631-0823 奈良県奈良市西大寺国見町1丁目1ー1
大和西大寺駅構内 タイムズプレイス
営業時間:11:00~21:30 年中無休
●無人タップルーム YAMATO Craft Beer SWITCH
住所:〒631-8215 奈良県奈良市東向き中町29 近鉄奈良駅構内
営業時間:11:00~20:00 月曜日定休
HP:https://yamato-brewery.com/
Twitter:https://twitter.com/yamato_cbt?lang=ja
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100057024207230
Instagram:https://www.instagram.com/yamatobrewery/
GOLDEN RABBIT BEER(ゴールデンラビットビール)
醸造所の特徴
ゴールデンラビットビールのコンセプトは、「クラフトビールを通じて 奈良の魅力、再発見へ」。
地元の素材にこだわり、ビールに使用している麦や酵母用の米も奈良県産。奈良への愛がたくさんつまったビールを作り続けています。
ゴールデンラビットビールのビール
ゴールデンラビットビールの定番ビールは「奈良あをによし(レッドエール)」「奈良そらみつ(ピルスナー)」「吉野さくらエール」です。
これに加え、大学との共同研究により開発された酵母を使用した「かぐやま」「うねびやま」「みみなしやま」や、廃棄するはずだった原材料を再利用して作られた「SOSEINO」など、様々なビールを販売しています。
季節の限定商品も随時販売されています。
ビールの値段
ゴールデンラビットビールの相場は1本あたり650〜1000円前後です。まとめ買いの方がお得です。
どこで飲める?手に入る?
ゴールデンラビットビールの醸造所内にタップルームがあり、週末限定で生のクラフトビールを飲むことができます。
ビールの販売は醸造所内で行っているほか、定番ビールについては県内の百貨店や酒屋で購入することができます。
また、Amazonでも取り扱いがあります。
お店情報
住所:〒630-8362 奈良県奈良市東寺林町30
営業時間:毎週末、金・土・日の営業が多いです。開店時間は日によって異なるため、HPやSNSで事前にチェックしておくのが良いでしょう。
HP:https://www.goldenrabbitbeer.com/
Twitter:https://twitter.com/GoldenRabbitBee
Facebook:https://www.facebook.com/GoldenRabbitBeer
Instagram:https://www.instagram.com/goldenrabbitbeer/
奥大和ビール
醸造所の特徴
奈良県の南東部、「奥大和」と呼ばれる地域で作られた果物や薬草を取り入れ、奈良の四季を感じることができるビールを作っているのが奥大和ビールです。
奈良の伝統野菜である「大和野菜」やご当地のジビエにも合うような、自然体ですっきりと飲みやすいビール作りに取り組んでいます。
奥大和ビールのビール
奥大和ビールには、奈良の果物や和ハーブ、香草をブレンドした季節のビールやハーバルビールがあります。
本当に、良い意味でビールっぽくないビールが多いです。ビール特有の苦味がダメな人にもおすすめできます。
●HERBAL ALE
柑橘系のアロマを感じながら口に含むと、コリアンダーとナツメグが一気にやってくる。後味もスッキリで美容ドリンクを飲んでいるような感覚。
●PASTEL FLOWER
奥大和産の桃とすもも、そしてアールグレイ茶葉が入った香り高いビール。甘すぎず、酸っぱすぎず、苦すぎず、とても爽やかに美味しく飲めちゃいます。
ビールの値段
奥大和ビールの相場は1本700〜800円です。オンラインでは3本まとめての販売で、2000〜2500円前後となっています。
どこで飲める?手に入る?
大宇陀にある醸造所はタップルーム付き。そこで出来立ての生ビールを飲むことができます。タップルームにはゲストハウスが併設してあるので、ビールを飲んだ後、そのまま宿泊することも可能です。
奥大和ビールは奈良や大阪の各所、東京にも取り扱いがあり、2023年7月現在、17のお店で飲むことができます。また奈良県内の百貨店や道の駅でもボトルの販売があります。
お店情報
住所:〒633-2164 奈良県宇陀市大宇陀拾生672-1
営業時間: 水:11:00-14:00、 木:11:00-14:00 、金: 11:00-14:00 / 17:00-20:00、土:11:00-20:00、日:11:00-18:00 月・火 定休日
Facebook:https://www.facebook.com/okuyamato.beer
Instagram:https://www.instagram.com/okuyamato.beer/
曽爾高原ビール
醸造所の特徴
奈良で一番古くからあるクラフトビールが曽爾高原ビールです。1999年、曽爾を盛り上げるべく、高原リゾート「曽爾ファームガーデン」がオープン。その時に醸造所が併設されました。
ドイツのブルワー直伝の製法を踏襲し、ビールをあまり知らない人でも「飲みやすい」と感じてもらえるようなビール作りに励んでいます。
曽爾高原ビールのビール
「飲みやすい」ビールを目指している曽爾高原ビール。実際に後味がスッキリしているビールが多いです。いい意味であまりクセがないので、誰でも気軽に飲めると思います。
定番ビールは、ケルシュ、アルト、ピルスナーの3本です。
●BYOBU ケルシュ
ホップのフルーティーさと苦味を味わえる。ホップの余韻はわずかに残り続ける。
●YOROI アルト
ビールの色は綺麗な赤銅色。苦味とコクをしっかりと感じることができるビール。
●KOHGEN ピルスナー
麦の甘み、ホップの苦味はあるものの控えめ。どんな料理にも合う万能ビール。
ビールの値段
曽爾高原ビールの値段は1本550円です。
どこで飲める?手に入る?
曽爾高原ビールは曽爾高原ファームガーデンで飲むことができます。瓶の販売は、曽爾高原ファームガーデンの他、県内の百貨店や酒店でやっています。
百貨店では、ビールの詰め合わせやソーセージとのセットが贈答品で売られているので、お中元などにもピッタリです。
Amazonでも、10本セットなどの取り扱いがあります。
お店情報
住所:〒633-1202 宇陀郡曽爾村大字太良路839
営業時間:4月~11月:10:00~18:00、12月~3月:10:00~17:30 水曜定休
HP:西の京地酒処きとら https://www.kitora.com/sounikougennbi-ru.htm
なら麦酒
醸造所の特徴
なら麦酒は、奈良の旧市街地である「ならまち」に佇む醸造所です。奈良出身のオーナーが2017年にオープンさせたこのブルワリー。
伝統的なスタイルを忠実に守りながら、年間を通してビールを作り続ける「四季醸造」に取り組んでいます。ならまちの季節によって移り変わる風情を楽しみながら、ビールを楽しんでもらいたいというコンセプトがあります。
なら麦酒のビール
なら麦酒のビールで代表的なものは、赤いラベルが特徴的な「ならまちエール」、そして小麦麦芽を多く使用した「白 -haku-」ではないでしょうか。
他にも、5種のハーブが香る爽やかなセゾン「翠 -midori-」やロースト麦芽にカカオを加えた香ばしい味わいが特徴の「玄 -kuro-」など、クラシックなスタイルの中に少しアクセントが混じったビールもあります。
ビールの値段
なら麦酒の値段は、大体850〜1000円ぐらいです。
どこで飲める?手に入る?
醸造所にタップルームが併設されており、ならまちの風景を眺めながら美味しい料理とともに生ビールを楽しむことができます。
ならまちエールと白 -haku- については、県内の百貨店や酒店で売られていますが、それ以外のビールはあまり出回っていない印象です。醸造所に直接足を運ぶのが一番でしょう。
お店情報
住所:〒630-8306 奈良県奈良市紀寺町956−2
営業時間:平日 11:00~19:00(ラストオーダー18:30)、土日祝 11:00~20:00(ラストオーダー19:30) 基本は毎週月曜が休み
Twitter:https://twitter.com/nara_beer
Instagram:https://www.instagram.com/naramachi_brewery2017/
グッドウルフ麦酒
醸造所の特徴
グットウルフ麦酒があるのは東吉野村の山の中。深山で生まれた水を使い作ったビールをグッと飲んで笑顔になってもらう、そのようなコンセプトでビールを製造しています。
ちなみにウルフの由来は、東吉野村が絶滅種とされているニホンオオカミが最後に発見された地であることからです。
グットウルフ麦酒のビール
グットウルフ麦酒の定番ビールは良狼 -ROU ROU-(ペールエール)、MIPA(IPA)、ゆずビー(ベルジャンホワイト)、黒ウルフ(スタウト)の4種です。
いずれも吉野の地で生まれた特産品が入ったオリジナリティー溢れるビールです。良狼には吉野杉が、MIPAと黒ウルフにはお茶が入っているそうです。どれも気になりますね!
ビールの値段
グットウルフ麦酒の値段は660〜830円です。
どこで飲める?手に入る?
醸造所にタップルームが併設されており、そこでビールを飲むことが可能です。近辺のビールイベントにも参加しているので、気になる人はSNSをチェックしてみても良いでしょう。
お店情報
住所:〒633-2442 奈良県吉野郡東吉野村大豆生145
営業時間:基本週末のみの営業、11:30〜18:00 または 19:00
HP:https://www.thegoodwolf-brewery.com/
Twitter:https://twitter.com/HIROisMyHero79
Facebook:https://www.facebook.com/the.goodwolf.brewery
Instagram:https://www.instagram.com/good_wolf_beer/
長龍酒造
醸造所の特徴
1963年に日本酒の酒造として奈良県広陵町に設立した長龍酒造。「お客様が真に安心し満足いただける」日本酒造りを追求しています。
そんな長龍酒造がクラフトビールの醸造を開始したのは2021年の夏。「もう一度、飲みたいビール」をコンセプトにクラシックスタイルのビールを中心に製造を行っています。
2022年3月には醸造所の隣に「長龍ブリューパーク」をオープン、ビールや日本酒を気軽に楽しめる施設として、県内外で話題となっています。
長龍酒造のビール
長龍酒造の強みは、日本酒作りで使用している米や麹が使えるということです。定番ビールであるセゾンには白麹を、ラガーには奈良県産の米を使用し、他の醸造所にはできない味を生み出しています。
他にも定番ビールとしてIPAを、季節に合わせた限定ビールを製造しています。
ビールの値段
長龍酒造のビールの値段は1本500〜600円です。
どこで飲める?手に入る?
醸造所に隣接している長龍ブリューパーク内にタップルームがあり、そこで生ビールを楽しむことができます。気に入ったビールをその場で購入することも可能です。缶の販売は県内の百貨店でも行っています。
お店情報
住所:〒635-0818 奈良県北葛城郡広陵町南4
営業時間:土日祝 11:00〜17:00(LO 16:30) 平日は芝生エリアのみ開放
Facebook:https://www.facebook.com/choryocraftbeerproject
Instagram:https://www.instagram.com/choryo_craftbeer/
BEER HOLIC BREWING
醸造所の特徴
BEER HOLIC BREWINGは奈良県宇陀市を拠点とするファントムブルワリーです。自身で醸造所を持たず、他の醸造所に醸造を委託しながら、「わかりやすくて飲みやすい」オリジナリティー溢れるビールの製造に取り組んでいます。
BEER HOLIC BREWINGのビール
BEER HOLIC BREWINGが今までに作ったビールは、ペールエール、Hazy IPA、ヴァイツェン、セゾンの4種類です。
私が特に気になるのはHazy IPAです。グレープフルーツ・マンゴー・グァバを想わせるトロピカルフルーティなアロマを楽しめるとのこと。いつか飲んでみたいですね…。
ビールの値段
BEER HOLIC BREWINGの値段は1本600〜700円程度です。
どこで飲める?手に入る?
BEER HOLIC BREWINGを直接購入するには、ビールイベントが最適でしょう。イベント情報を公式HPやSNSで事前におさえておくと良いかもしれません。
お店情報
オンラインショップHP:https://beerholicbrewing.stores.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/beerholicbrewing/?hl=ja
最後に
今回は、奈良のご当地ブルワリーを9店ご紹介しました!古くから知られる酒の街、奈良ですが、ここまでビールが盛んだとは思っていませんでした。
クラシックを貫くブルワリーから定番をあまり持たない個性的なブルワリー、醸造所を持たないファントムブルワリーまで、様々なスタイルがありますね。
奈良に観光に来た際は、寺巡りならぬ、クラフトビール巡りをしてみてはいかがでしょうか?
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