今回ご紹介するのは、京都麦酒のビールのうち、缶で提供されている4種類です。
このブログでは初めてのビールレビュー。拙いところもありますが、優しく見守ってください…。
京都麦酒とは?
まずは京都麦酒について、簡単に説明したいと思います!
日本酒の代表格、黄桜が手がけたビール
京都麦酒は日本酒で有名な黄桜が製造しているビールです。
黄桜は1951年に京都市伏見区で設立した、大手日本酒業界の中では比較的若い会社です。「酒米の王様」とも呼ばれる米、山田錦を用い、大吟醸や本醸造にこだわって日本酒を作っています。
黄桜といえば、 コンビニで見かけるワンカップの代表格である「辛口一献」が有名ですね。昔はCMもよく流れていて、「きざくら…」と囁く感じのサウンドロゴが印象的でした。
伏見の地下水を使って約20種のビールを展開
そんな黄桜が地ビール事業を開始したのは1995年。伏見の酒造では伏見桃山を流れる良質な地下水である「伏水」を使い日本酒を製造していますが、黄桜はこの伏水をビール製造にも使っています。
黄桜は、今回ご紹介する京都麦酒以外にも「黄桜 LUCKY CAT」や「悪魔のビール」シリーズといったクラフトビールを20種ほど手がけています。日本酒の酒造という枠にとらわれない幅広い商品展開に、個人的にも注目しているところなのであります!
京都麦酒は全部で9種類あり、その中で缶で提供されているのは次の4種です。
・ペールエール
・ゴールドエール
・ブラウンエール
・ブロンドエール
今回、仕事帰りに立ち寄った京都駅にて、4種類全てがたまたま売っていたのを目にしてしまい…内に秘めたるビール魂に火がつき一気に大人買いしてしまいました。
外観は「京都」と大きなローマ字が入っていて、どこかレトロな感じを醸し出しています。古都京都を彷彿とさせるパッケージは、手にするだけでもどことなく京都の街並みを思い出させてくれますね。
それではさっそく、4缶を飲み比べしていきましょう!
ペールエールを飲んでみよう【レビュー】
まず最初にペールエールを飲んでみます!
こちらのビールのスタイルはケルシュ。ドイツのケルン地方でできた製法で、上面発酵用の酵母をあえて低温で発酵させることによって、フルーツのような香りとすっきりした味わいを出しています。
ラベル・色・香りはどんな感じ?
ラベルは落ち着いた青色をしています。京都で有名な行事である五山送り火の大文字が描かれていますね。いかにも京都っぽい絵柄です。ラベルの中には英語で「清涼でバランスのとれた上面発酵のビール、柔らかくなめらかな味」と書かれています。
グラスに注いでみるとしっかりとした泡立ちがありました。泡は結構大きめで、感覚としてはアサヒスーパードライに近いような気がします。色は明るめの黄金色、色指標であるSRMに換算すると3〜4ぐらいでしょうか。注いだ時に、かすかに酵母の甘い香りを感じました。
ラベルからグラスに注いだ後まで、上品な見た目のビールです。飲む前から、お家で京都気分を味わえます。
お味はいかに?
一口目、やや酸味があるかな?と思っていると、次に来るのはほのかな苦味。その後、瞬く間にそれらの味は消えていきました。あっという間に移り変わり消えていく味。その儚さは、まるで移り変わる京都の四季のようです。
飲み口は比較的すっきりしている方かなと思います。後からくる苦味はホップをしっかりと感じることができますが、それもサッとなくなっていくのが特徴です。ただ、最初から最後まで唯一残るのが酸味ですね。後からくる苦味によってかなり打ち消されるものの、全体を通してみると、うっすらと残り続ける印象です。
酵母を残した製法で作られているとのことですが、それがこの味に大きな影響を与えているのでしょうか?日本酒製造にも使われている伏水の成分も関係している気がします。
こちらのビールと合わせたい料理はやっぱり和食ですね。唐揚げなどの油物ではなく、だし巻き卵やおでんなど、出汁の味を楽しめる料理と一緒に飲みたいです。しゃぶしゃぶや水炊きなんかも良さそうですね。
私の野望 刺身と焼魚に合うビールを作りたい
実はこちらのブログを作った真の目的は「刺身と焼魚に合うビールを作ること」なのです。
そもそもなんですが、
私は個人的に、刺身や焼魚をはじめとした、日本の魚料理に一番合うお酒は日本酒だと思っています。日本酒は和食全般に合いますよね。
ビールは、風味も強めで後味も結構しっかりしているものが多い印象なのですが、それに対して日本酒って、風味がまろやかなものが多くて、後味もスッとなくなっていくイメージ。
要は魚のうま味と醤油のうま味を消さずに、なおかつ、お酒の味もちゃんと残す。それが日本酒の場合は、うまくハーモニーを奏でることで和食にベストマッチするんだと思うんです。
けど、私は大のビール党。ここは絶対に譲れない!
なんとしてでも、ビールで刺身・焼魚に合う味を探して、あわよくば自分で作ってみたいのです。ビールにも、きっと日本酒のような雰囲気のものがあるのでは?と思ったりしています。理想の味を作るべく、今日もせっせとビールを飲み比べるのです。
京都麦酒 ペールエールは刺身と焼魚に合う?
さて、話が少し脱線しましたが、こちらのビールが刺身・焼魚に合うかといえば…。正直なところ、ちょっと微妙かもしれません…。刺身も焼魚も和食ではあるのですが…。
酸味が残り続けるのが気になるポイントです。それがこのビールの特色ではあるものの、魚の味を邪魔してしまうのも事実。特に刺身独特の甘みとビールの酸味の相性があまり良くないのかな、と飲んでふと思ったのです。今回は初レビューではありますが、すこし評価は辛口となってしまいました。
刺身マッチ度 ★★★☆☆
焼魚マッチ度 ★★★☆☆
ゴールドエールを味わう【レビュー】
続いては緑のラベルのゴールドエールを飲んでみたいと思います!
缶の色は京都の初夏を連想させる深緑色です。「ゴールド」エールなのにラベルが緑なのが不思議ですね。ラベルには「酒イーストを使用。苦味ある高級感あふれる味。少しフローラルな香りもある」と書かれています。
こちらのビールのカテゴリーは「酒イーストビール」。ビールを発酵させる段階で、通常はビール用のイースト(酵母)を使い発酵させますが、ゴールドエールで使用している酵母は、なんと黄桜が日本酒の製造で使用している清酒酵母。吟醸酒の香りがふわっとやってくるビールだそうです。これは期待大!
泡立ち・色・香りは?
缶を開けた時の香りはペールエールに比べたらさらに控えめです。吟醸酒の香りは飲むときまでお預けです。泡立ちの感じはペールエールと変わらず、しっかり泡立ってくれる印象です。
色もペールエールと比べると少し明るい黄金色で、SRMに換算すると2〜3ぐらいでしょうか。ゴールドエールも綺麗な色をしていますね。
味はどんな感じ?
一口目の印象は、酸味がしっかりあるということ。吟醸酒のようなまろやかな香りも同時にやってきたので、清酒酵母が生み出した酸味ではないかと勝手に思っています。
その後はあっという間に苦味が来て、最後は全ての味と香りが消えていきました。ペールエールも味の移り変わりは早いけど、それに比べてこのスピードは尋常じゃない。
例えるならば、ペールエールが近鉄の急行電車ぐらいだとしたら、ゴールドエールは近鉄特急ひのとりぐらいのスピード感です。近鉄沿線の人にしか分からない例えですね。
最初にくる酸味はペールエールに比べてやや強いですが、飲み口はかなりすっきりしていると思います。途中にくる苦味や酸味も、ペールエールよりは早く消えていく気がします。
この後味のスッキリ感、大手ビールにはなかなかない類のものだと思います。どちらかというと辛口の日本酒に近いです。日本酒用の酵母を使うとここまでスッキリするのかと思わず感心してしまいました。
ペールエールと同じく、和食が合うのではないでしょうか。後味が本当にスッキリしているので、特に味噌のような濃い味のものと相性バッチリだと思います。個人的には風呂吹き大根と合わせたいですね。冬の寒い時に、温かい味噌料理と一緒に飲みたいビールです。
刺身、焼魚との相性は?
さて、こちらのビールが刺身に合うかというと…ペールエールよりは酸味も少なくかなり後味スッキリなのですが、やはり酸味が料理の邪魔をしないか気になってしまったので、こちらも辛口評価になってしまいました。
焼魚はどうだろう、と思った時にふと頭をよぎったのが西京焼。西京味噌で焼いた西京焼。独特の甘味と味噌の風味が特徴ですが、この甘味とゴールドエールの酸味は合うんじゃないか?と思ったのです。味噌料理と合うと先ほど話していますしね。
ビールに合う料理の選び方の一つに、同じ産地のものを合わせるというのがあります。京都のビールには、京料理がピッタリなのかもしれません。
刺身マッチ度 ★★☆☆☆
焼魚マッチ度 ★★★★☆
他にもこのビールに合う魚料理ってあるかな?いろいろ探してみようと思います!
後半へ続くよ!
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