クロンバッハピルスって、どんなビール?
今回ご紹介するのはクロンバッハピルス(KROMBACHER PILS)。ビールの本場、ドイツの主要メーカーであるクロンバッハが作っているピルスナーです。まずは、(クロンバッハの歴史やクロンバッハピルスが誕生した経緯)について簡単にご紹介します。
クロンバッハは国内生産量TOPを誇るドイツビールメーカー
クロンバッハは1803年、ドイツ中西部のクロンタール市にあるクロンバッハという街で誕生しました。クロンタール市は、面積71㎢、人口約3万人という小さな市で、街の大半が森林に囲まれています。市内には3つの川があり、クロンタールの渓谷を走っています。
自然豊かな街で古くからあるこちらのメーカー。世界最古の食品法と言われる「ビール純粋令」を今も厳格に守っており、麦芽・ホップ・水・酵母のみを使用してビールを製造し続けていましたが、現在はノンアルコールのフルーツフレーバービールの製造などにも取り組んでいるようです。
メーカーブランドが確立されたのは1908年、第二次世界大戦や冷戦時は操業を停止していましたが、ベルリンの壁崩壊後の1990年代より生産を再開しました。
現在は、年間5億リットル以上のビールを生産し、ドイツでは主要ブランドと位置付けられています。ドイツで飲まれているピルスナーの10本に1本がクロンバッハのものだそう。ビール大国のドイツでそれだけ飲まれているとは、人気の高さが伺えます。
ドイツ国内の他に輸出しているのは、なんとアメリカと日本のみ。ドイツ国内のビールメーカーの大半は、マイクロであることを誇りに思っており、出荷も地域も限定しているそうです。クロンバッハのビールは気軽に飲めるようにみえて、実はかなりレアなんです。
日本のビールが好きな人におすすめ!ドライなジャーマンピルスナー
さて、クロンバッハ「ピルス」とは、クロンバッハが作るピルスナービール、という意味です。
ピルスナーは1842年にチェコのピルゼンという街でで誕生したスタイルです。ビールを低温で長時間発酵させる下面発酵という製法でできたビールで、淡く透き通った明るい黄金色の液面と、スッキリ爽快な喉越しが特徴です。日本の大手企業が作っているビールの大半がピルスナーです。
クロンバッハがこの製法をドイツに持ち込み、KROMBACHER PILSを作ったのが1890年。そこからずっと、クロンバッハはピルスナーを作り続けてきたのです。
チェコとドイツ、それぞれ同じ製法で作られてはいますが、使っている水の違いで色味や味が大きく異なりました。あまりに違いが出るので、次第に「ボヘミアン(チェコの)・ピルスナー」「ジャーマン(ドイツの)・ピルスナー」と呼び分けられるようになりました。
泡がきめ細やかで、モルトの芳醇な香りと甘みが特徴のボヘミアン・ピルスナーとは異なり、クリスピーでドライな飲みごたえが特徴のジャーマン・ピルスナー。明治時代、日本に入ってきたのはこのジャーマン・ピルスナーでした。
後味が爽やかなため和食にも良く合うことから日本でまたたく間に広まり、現在、大手企業で作られているビールのほとんどがジャーマン・ピルスナーとなっています。日本の大手ビールをいつも買って飲んでいる人には、このクロンバッハピルスはとてもおすすめできるビールです。
クロンバッハピルスを実際に飲んでみた【レビュー】
さて、それでは実際に、クロンバッハピルスを飲んで、レビューしていきたいと思います!
泡立ち・色・香りはどんなもの?
注いだ瞬間、きめ細やかな泡が比較的しっかり泡立ってくれます。泡立ち方はサントリーのプレミアムモルツに近いです。
ビールの色も一般的なピルスナーによくあるタイプの黄金色ですが、その中でもかなり明るめの色です。ビールの色の指標としてSRMやEBCがありますが、SRMだと2〜3、EBCだと4〜5になります。
香りは注いだときにはほとんど感じません。飲む直前にふわっと麦の甘い香りが漂ってくるぐらいです。ビールの中には香りの強いものも多いですが、クロンバッハピルスに関していえば、そのようなことを気にする必要はないでしょう。たとえ特急電車の中でも、周りを気にせず飲めるビールだと思います。
味はどんなもの?
一口飲んだ時に感じたのは甘み。まるでパンのような味でした。アルコール度数は4.8%とビールの中では低めなので、これはアルコールの甘さではなく、麦の甘みがしっかり出ているのだと思います。ホップの苦味も少なく、最後までサクッと飲むことができました。
クロンバッハピルスはその味から「飲むパン」とも言われています。麦芽・ホップ・水・酵母のみを使用して製造していて、水も現地の軟水を使用しているため、麦の甘みがしっかりビールに出てきます。それがまるでパンみたいな味をしているのです。
パンって基本的に肉、野菜、魚、どんな料理にも合いますよね。クロンバッハピルスも「飲むパン」と言われるだけあって、どんな料理にも合うオールラウンダーなビールです。
ちなみに、刺身、焼魚との相性は?
さてこちらのビールですが、ほかの料理と同様に、どの刺身・焼魚にもうまく合わせられると思います。
味がスッキリしているので料理の味を邪魔せず、かつ麦の甘みがふわっとやってくることでビールの味も料理にかき消されず活きてくると思います。
その上での評価なのですが、これは刺身よりは焼魚に合うのではないでしょうか。
先ほど「飲むパン」の話をしていましたが、パンに合うものって、ムニエルとか白身魚のフライなどの火を通した魚料理だと思うんです。アジやホッケの塩焼きとかも案外合わせられるのではないかと思います。
一方、パンに生魚を挟むイメージはあまりなく(サーモンのベーグルサンドとかはあるかな?)、同様にこのビールと刺身の相性も、ベストマッチ、とはいかない気がしたのです。
とはいえ、日本で多く流通しているピルスナービールの王道を行く味なので、刺身も焼魚も問題なく楽しめると思います。
刺身合いそう度 ★★★★☆
焼魚合いそう度 ★★★★☆
ドイツの定番、クロンバッハピルス。入手は意外と簡単
今回は「飲むパン」クロンバッハピルスをご紹介しました!
麦の甘みとスッキリ感でサクサク飲めちゃうこちらのビール。海外ビールなので見つけにくいかと思いきや、実はイオンのお酒コーナーに行くとあっさり見つかります。しかも1缶200円以下、24缶入りの場合は1箱4500円程度という驚きの安さです。
飲みやすく、どんな料理にも合うこちらのビール、あっという間に飲み切ってしまう気がする人は箱買いをおすすめします。ホームパーティーなんかでビールをまとめ買いしておいて、みんなでワイワイ飲むのも楽しいかもしれませんね。
クロンバッハの情報はこちらです↓
・クロンバッハHP(※英語)
ピルスナーだけでなく、他にもいろいろなスタイルの製造を行っていますよ。気になる人はぜひチェックしてみてくださいね!
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