箕面の街に根ざしたローカルビール
今回ご紹介するのは、箕面ビールのおさる IPAです。まずは箕面ビールがどのようなブルワリーなのか、簡単にご紹介したいと思います。
大阪北部の自然に囲まれた街、箕面
箕面(みのお)市は大阪府の北西部に位置する街で、人口は約13万人ほど、大阪のベッドタウンとして発展し、いわゆる高級住宅街としても知られています。
市内の多くは山に囲まれており、瀧安寺、勝尾寺、箕面滝などの観光名所もあります。修験道を極める聖地としても知られ、多くの僧侶が箕面の地で修行をしていたそうです。
ビルが立ち並ぶイメージしかない大阪に、そんな山生い茂る場所があるなんて…しかも修行に入れるレベルの…知りませんでした。
そんな自然に恵まれた街、箕面で生まれたブルワリーが箕面ビールなのです!
地域に根ざした活動を続け、街に愛されるブルワリーに
箕面ビールが設立したのは1996年。毎日のシーンに溶け込む「デイリービール」を目指して、クラシックなスタイルをスタンダードとし、季節に合わせて地元の特産である柚子などの果物、野生酵母、米麹を使い様々なスタイルのビールを醸造しています。
一つ一つの工程は手作業で、素材や製法にこだわり、ビールを作り続けています。ビールの本場であるアメリカやイギリスのビールコンテストで数々の賞を受賞しており、その味は世界にも認められています。
また、ビールが作られたあとの麦芽粕を地元の農家の人に引き取ってもらい、牛や鶏の飼料として利用しているそう。
鶏が産んだ卵は箕面ビールの直営店で売っているんだとか。地域に根ざしたイベントも多く実施しており、大阪・箕面の街を代表するブルワリーなんですね。
おさるがモチーフのIPAはホップが盛りだくさん
箕面ビールはスタウトやピルスナーといったクラシックスタイルのものや、地域の特産品を使った期間限定のもの、合わせて20種類以上のビールを作っています。その中の1つがおさるIPAです。
箕面を代表する生き物、ニホンザル
なぜ「おさる」?と思った人もいるかと思いますが、実は箕面の代表的な生き物といえば、ニホンザルなのです。
箕面山には古くからニホンザルが多く住んでいます。大都市近郊でニホンザルが見られるのは珍しく、国の天然記念物としても保護されています。
箕面にとって、サルはとても関わりが深い生き物。クラフトビールのパッケージから、私もまさかここまで箕面について知ることになるなんて…!ビールって奥が深い。
限定品から、愛好家の声で定番ビールに
箕面ビールはこれまで、ニホンザルをモチーフにしたビールを期間限定で数多く作っており、その数10種類以上。
その中でも、おさるIPAは5種のアメリカンホップを贅沢に使用し、ホップの香りを最大限に引き出したIPA(インディア・ペール・エール)です。このおさるIPAも発売当初は期間限定として登場しました。
苦味と香りのバランスも良く、爽快なのどごしを味わえるのがこのビールの売り。この特徴が多くのビール愛好家から好評を集め、2020年に定番商品となりました。
【レビュー】さっそく飲んでみよう
それではおさるIPAを飲んでいきたいと思います!
5種類のアメリカンホップを贅沢に使っているビール、アメリカンIPAばりの濃い味が期待できます。ラベルに描かれたおさるもホップのピアスをしていて、超おしゃれですね!飲む前から楽しみです。
泡立ち・色・香りは?
グラスに注ごうとすると、オレンジの香りがふわっとやってきました。柑橘系の香りがするホップといえばシトラホップが連想できますが、このビールにもシトラホップが入ってたりするのでしょうか?
泡立ちはなかなかにありますが、比較的早くに泡と液面がパキッと分かれます。泡も比較的きめ細やかで、サッポロエビスと感覚は近いかも。
ビールの色は綺麗な黄金色をしています。SRMに換算すると、4〜6ぐらいでしょうか。
お味はいかに?
飲む瞬間に感じたのは、柑橘系をはじめとした様々なホップの香り。これぞIPAアロマだ!と言わんばかりに香りがやってきます。
香りの余韻を楽しむ間もなく次にくるのはホップの苦味。IBUにしたら40はありそうな苦味がドーン!とやってきます。ただ、苦味もそこまで引きずるわけではなく、スパッとキレ良く消えていってくれますね。
これまでに何本かIPAを飲んできましたが、GOOSE ISLANDやTAHOE DEEPといったアメリカのIPAに比べてSTREAMIN’のような日本のIPAの方がフィニッシュがあっさりしている印象です。おさるIPAは特に、今まで飲んだIPAの中で一番爽やかに飲み終えることができたIPAでした。
香り豊かでキレのあるビールで、苦味にもたつくことなく最後まで楽しむことができました。IPAの味をじっくり楽しみたい、という方にはもってこいのビールです。
個人的には、仕事を終えた夜に、少しのおつまみでチビチビと味わいたいですね。働き疲れのご主人やお父さんに1本プレゼントしても喜ばれると思います。
刺身、焼魚との相性は?
今回飲んだおさるIPAですが、刺身や焼魚との相性はイマイチかもしれません。香りが強いIPAなので、刺身や焼魚だと味が負けてしまうかも…
海鮮で相性がいいと思うのはタコですね。特にたこわさなんか良いと思います。わさびの鼻に来る辛さと柑橘系の香りが、実はうまくマッチするのではないでしょうか。
タコ繋がりで言えばタコの唐揚げも相性が良いですね。キレがある分、味の強い揚げ物はより楽しめると思います!
刺身マッチ度 ★★☆☆☆
焼魚マッチ度 ★★☆☆☆
箕面といえば「おさる」と「箕面ビール」
今回は、箕面ビールのおさるIPAをご紹介しました!
関西民でありながら、箕面という街には行ったことがない私でしたが、おさるIPAを飲むことで、箕面の自然の豊かさや箕面ビールの情熱と地元愛に触れることができました。
他のブルワリーもそうですが、地元に根ざしたビール作りをしているのって、とても素敵なことですよね。
値段も500円程度とリーズナブルなこのビール。ちょっと頑張った日のご褒美に、または頑張っている人への贈り物として、香り高いおさるIPAはいかがでしょうか?
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